ホーム > 旅に役立つ情報 > スピリットベア・ゴーストベア(Kermode Bear)に出逢える厳選スポット
ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバー島北端に近いカナダ本土の海岸から南東アラスカは、グレートベア・レインフォレストと呼ばれています。
グレートベア・レインフォレストでは、温帯雨林地帯が広がります。入り組んだ入り江の奥には手付かずの自然が残され、グリズリーベアを始めとした多くの野生動物が生息しています。
9月になると、産卵のためのサーモンが2,500箇所以上の川を遡上し、それを目当てにスピリットベア、ブラックベア、グリズリーベアが海岸部に集まってきます。
シーズン:9月
スピリットベアは10頭に1頭という割合で生まれてくるそうです。このことは、少なくともその10倍のブラックベアが生息していることになります。
つまり、生態系のほんの小さな変化がこの貴重な白いクマの生息を脅かすことになるのです。
現実的にこの生態系をずっと維持することは、消費社会の現在においてかなり困難なことでしょう。スピリットベアに限らず、森林によって動物、植物、魚、人間などの生物は生かされているということを再確認し認識することが重要になるでしょう。
先住民などの話によるとブリティッシュ・コロンビア州各地では木の皆伐(クリアカット)が盛んに行われ自然破壊はますます進んでいる。その木材の多くは日本の企業が買い付け日本に輸出されているという。
私たちが知らないうちに約7,500km以上離れたカナダの生態系を揺るがしている可能性もあるのだ。スピリットの未来は私たちが握っていると言っても過言ではないでしょう。
※写真をクリックすると、拡大写真を表示します。
種目 | 食肉目クマ科クマ属 | ||
体長 | 200cm〜280cm | 体重 | 40kg〜270kg |
食べ物 | 草の根、サーモン |
ブリティッシュ・コロンビア州北西部の森には、不思議な白いクマ「スピリットベア」が生息しています。
スピリットベアは「精霊の熊」
とも呼ばれ、英語名ではカーモードベア(Kermode Bear)と呼ばれるクマです。
古くからこの地域に住む先住民ツィムシアン族の間でこんな言い伝えが語り継がれています。
世界が氷と雪に閉ざされていた氷河時代、この世の創造主ワタリガラスが天から舞い降り世界を今日のように緑豊かな土地に変えた。しかし、すべてが真っ白だった氷と雪に閉ざされた時代を忘れさせないために、ワタリガラスはブラックベアのもとへ行き、10頭に1頭を雪の色に変え、永遠に平和に暮らすように命令した。
ニューヨーク動物学協会のナチュラリストW・T・ホーナデイが、1905年に初めてスピリットベアを発見しました。
当時、彼のために献身的にサポートしたロイヤル・ブリティッシュ・コロンビアミュージアムのフランシス・スピリットにちなんで「スピリットベア」と名付けられました。
先住民の間では、スピリットベアやゴーストベアという名称で既に呼ばれていました。
スピリットベアの生態については不明な点が多いのですが、ブラックベアの亜種という種類に分類されます。
どのような経緯で白いブラックベアが誕生するかなど、詳しいことは分かっていないのですが、一番有力な説としては何らかの関係で劣性遺伝子を持つブラックベア同士が交配するとその子供は白いブラックベアになるというものです。
生息地区域は、バンクーバーから北へ500km以上離れたスチュワート、ヘイゼルトン、ベラベラの三角地帯です。
26,000kmの範囲で400頭あまりのスピリットベアが生息していると科学者たちは推測しています。
その中でもプリンセス・ロイヤル・アイランド、グリブル島では秋に遡上する鮭をクマが捕食するシーンが数多く見られるそうです。ただ、なぜこのブリティッシュ・コロンビア州北西部のこのエリアのみに存在するかは、諸説あるが未だ謎となっている。
スピリットベアが生息する地域は、カナダの中でも人々から忘れ去られたような無数の小さな島が点在し、海岸線は入り組み、本土内でも道路がなく容易に近づけない地域です。だからこそ、それらの森にはスピリットベアの他にグリズリーベア、ブラックベア、オオカミ、シカ、白頭ワシなどが生息し、5種類のサーモンが60を超える河川を遡上するなど微妙なバランスに保たれた太古の自然が現在も残っています。