カナダ先住民の豊かな文化 |
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先住民と聞くと映画やテレビアニメなどの影響により原始的な生活と思い浮かべてしまいがちだが、カナダ先住民はヨーロッパ人がやってくる遥か昔からこの地に根付き地域により特色を持ちながら高度な文化を形成し生活を営んできた。 大きく分けるとその気候により6つの文化圏を形成していたという。 |
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■アークテック 現在のイヌイットの住んでいる地域である。厳しい冬の間、雪と氷のブロックを利用したイグルーと呼ばれる住居に住み、夏の間はクジラの骨と木を使った住居に住んでいた。彼らは夏にアザラシ、セイウチ、魚、ベルーガ、イッカクや北極グマなどを狩った。 ■サブアークテック このエリアでは大きく2つのグループに分けられる。東部及びハドソン湾南部のアルゴンキアンズとユーコン及びマッケンジー川流域のアサパスカンである。どちらもここに小さなグループを作り自給自足の生活をしていた。
彼らのほとんどが獲物を求めての移動生活が中心であり、夏季にはモカシン(鹿皮で作った靴)、冬季にはスノーシュー(洋カンジキ)を履いていたとされる。 ■イースタンウッドランド このエリアの部族は通常、チーフ、チーフの子供、高貴、平民などの階級制度が適応され、社会性を保っていたと言われている。彼らの主な生活は鹿の狩猟と農業であった。男性が弓矢、石のナイフ、戦争用のこん棒を作り、女性が豆、とうもろこし、かぼちゃ、タバコなどを栽培した。荷物の輸送の為、水の側にウィグワム(樹皮を張った円形の小屋)を建て居住した。水上移動にはカヌーを利用し、家畜は持たずイヌを飼っていたと言われている。 |
■グレートプレーン 現在のアルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州を含む、言わずと知れた平原インディアン(先住民)と呼ばれていたグループである。 この牧草地帯はバッファローを育むには最適な土地であった。彼らはバッファローを生活の中心に置き、移動狩猟生活を営んでいた。かつて数百万頭生息したと言われるバッファローであるが、そんな時代でも彼らは少しもバッファローを無駄にすることはなく肉、骨、毛皮など全てを有効に利用していた。現在の我々には少し耳の痛い話である。 ■プラトー このエリアはサーモンの遡上というシーズン的に食料が豊富になる時期はあったものの、その他の季節は食料のために移動生活をしなければならなかった。彼らは徒歩による移動生活を行い家財道具などは犬に引かせた。移動中、湖があれば魚を捕り、カモなども彼らの狩猟の目的になった。草原では食用の球根や栄養のある植物の根も食料とする採取生活を行っていた。また、サーモンと食用の球根を乾燥させ冬季の保存食とした。1740年頃になるとプレーンの人々との交易が始まり馬を手に入れた。 ■ノースウエストコースト 代表的な部族がハイダ、トリンギット、ツィムシアン、べラクーラ、クワキュートルおよびヌートカである。このエリアでは豊富な天然資源(海洋生物、魚、および木材)に支えられ、他の部族による村の襲撃は少なくなかったが、一般的に平和な生活を営んでいた。先住民の居住地域としては唯一飢えを知らない地域として知られている。生活のゆとりは高度な文化や政治を生み出した。 |