ホーム > 旅に役立つ情報 > ハイキングで遊べるカナダ厳選スポット
カナディアンロッキーのハイキングは、一言で言い表すとウィルダネス(手付かずの自然)体験でしょう。ハイキング先進国のヨーロッパには、有名な名峰マッターホルンを擁するスイスのツェルマット、モンブランを擁するフランスのシャモニーがあります。
これらの山々の環境は、ハイキングをするには抜群に素晴らしいのですが、雄大な手付かずの自然が足りない気がいたします。
カナディアンロッキーは山脈として世界有数の規模ですが、山単体としての知名度は高くありません。
広大なフィールドには、無数のハイキングトレイルがあります。
中でもバックカントリーハイキングと呼ばれる山の中でロッジやテントに滞在しながら楽しむカナディアンロッキー核心部へのハイキングは、自然に身を委ねる玄人向けのハイキングでしょう。
カナダのハイキングは現代生活で鈍感になりがちな五感を研ぎ澄ませてくれること間違いありません。
カナディアンロッキーまでのアクセス:カルガリーからカナディアンロッキーの中心地バンフまでは陸路で約2時間ほどです。
スコーキーのハイキングはレイクルイーズスキー場のフィッシュクリークが登山口です。大きく分けるとフィッシュクリークからターミガンレイクを中心としたスコーキーロッジまでのハイキングとスコーキーロッジをベースとしたメルリンレイク、スコーキーレイクス(ミョソティスレイク&ジガデヌスレイク)などを訪れるハイキングです。
フィッシュクリーク登山口から本来の登山口、テンプルロッジまでは国立公園管理局で許可された車しか入れません。ただし、スコーキーロッジに泊まる宿泊客のみテンプルロッジまでの道のりはシャトルバスを利用して入ることができます。
テンプルロッジまでのトレイルは砂利の広い林道ですが、テンプルロッジからは突然、登り坂となります。この登り坂は長くは続きません。しばらく歩くと、歩きやすい開放的なトレイルが広がります。澄んだ水が流れる小川、緑のメドウ(牧歌的草原)、岩峰のコントラストが美しいです。ハーフウェイハットを越えると遠くに見えていた山々が若干近くに感じられます。途中にはルピナス(ノボリフジ)やインディアンペイントブラシ(ゴマノハグサ)が咲き、景色に色を加えています。トレイルが少し登り坂になり、大きな岩がゴロゴロとした山肌の脇を越えると、ターミガンレイクに到着します。
テンプルロッジからターミガンレイク手前までのトレイルも素晴らしいですが、ターミガンレイクから先の景色を目の当たりにすると、まるでターミガンレイクを境に下界との境界線が引かれているようです。
ターミガンレイクにはその名の通り雷鳥の親子が戯れ、湖の色は濃いブルーで太陽の光を反射して輝いています。
ターミガンレイクでは少し時間を取って食事や休息するのに、ちょうど良いです。
湖に沿ってデセプションパス(峠)に向かうトレイルがついているがパッカーズパスに向かうものなど、他にもたくさんの踏み跡があるので迷わないように注意しましょう。
大きなターミガンレイクの横についているデセプションパスへのトレイルをしばらく歩く、右手にずっと見えている黒い山肌のリダウトマウンテン、左側のターミガンピークは迫力十分です。
湖からトレイルが離れていくころ、ゆるやかな登り坂となります。
この登りを終えると、デセプションパスに到着します。デセプションパスはスコーキーバレーの入り口です。デセプションパスからはターミガンピーク、ウォールオブジェリコの荒々しい岩峰とトルコ石のような色をした美しいスコーキーレイクスが目に飛び込んできます。
ここからスコーキーロッジまでのトレイルに登り坂はありません。
草原のようになっているスコーキーバレーには様々な花が群生しているので花の好きな方は写真撮影などにじっくり時間をかけながら歩きましょう。
トレイル上に小川が流れ、レッドディアーリバー&レイクスの分岐が現われるとロッジはもう、すぐ目の前です。
バンフからフィッシュクリーク登山口は約1時間、フィッシュクリークからテンプルロッジはロッジのシャトルバスにて20分ほどです。
カナディアンロッキー最高峰マウントロブソンを巡る代表的なトレイルがバーグレイクトレイルです。全長21km(片道)、標高差約 750mのロングトレイルでほとんどのハイカーが1泊2日でマウントロブソンの麓の湖、バーグレイクまで達します。マウントロブソンビジターセンターから2km、マウントロブソンの方向へ入った地点にトレイルヘッド(登山口)があります。トレイル上には、キニーレイク、ホワイトホーン、エンペラーフォールズ、マーモットそして終点のバーグレイクと5つのキャンプ場があります。マウントロブソンの入山およびキャンプ場は予約制になるので、体力に合わせてキャンプ場を選択しましょう。
トレイルヘッドからキニーレイクまではウエスタンレッドシダー(米杉)の林道4.5kmのトレイルです。氷河の融けた水が轟々と流れるロブソンリバーを横目に見ながら歩けますので、大変快適です。
エメラルドグリーンのキニーレイクを前にすると、やわらかなすべてを包み込む美しさにしばし時間の経過を忘れてしまうほどです。
キニーレイクまではデイハイカーに人気のトレイルで散歩がてらにも最適です。
キニーレイクからホワイトホーンは行きかう人々が減り、静かなハイキングとなります。
日本で言うと高尾山口から高尾山山頂までがキニーレイクで、山頂から陣場山方面がキニーレイクから先のトレイルといったところでしょうか。
ホワイトホーンキャンプ場のロブソンリバーにかかるつり橋が見事です。
ホワイトホーンからエンペラーフォールズ(滝)はこのトレイル一番の難所。このあたりは「Valley of a Thousand Falls」と呼ばれ、その名の通りいくつもの滝がトレイル中に見られます。その中でもホワイトフォールズとエンペラーフォールズは見ごたえがあります。滝を見ながら歩けると言うと優雅に感じますが、急登になっていています。豪快なエンペラーフォールズの分岐を過ぎエンペラーフォールズキャンプ場に着くころ、難所は終わります。
エンペラーフォールズでは是非、霧のようになったしぶきを浴びて、ハイキングの疲れを癒しましょう。
エンペラーフォールズキャンプ場からバーグレイクキャンプ場までは急登はないので変わり行くマウントロブソンの景色、青い色が美しいバーグレイクやマウントロブソンから流れ落ちるバーググレーシャー(氷河)などをじっくり堪能してバーグレイクキャンプ場へと向かいましょう。
バーグレイクキャンプ場はマウントロブソンのキャンプ場の中で一番大きいです。シェルター(避難小屋)などの設備も充実しています。
雨天時など食事や休憩にこのシェルターは大変貴重です。バーグレイクキャンプ場から見るマウントロブソン、バーグレイク、及びバーググレーシャーの息を呑むほどの絶景はこのハイキングの何よりのご褒美です。
ジャスパーからマウントロブソン州立公園へは、約1時間30分ほどです。
マウントボール(標高3,307m)の雄姿を映し出すシャドウレイク、その美しい景色を堪能するには徒歩で向かうしか方法はありません。
湖までは約5時間の道のりです。湖を起点とした、日帰りで楽しめるトレイルが数種類あります。
湖のそばには、シャドウレイクロッジまたはキャンプ場など、宿泊施設もあります。レッドアースクリーク登山口はバンフから車で国道1号線をレイクルイーズ方面へ20分です。
ロッジポールパインの林の中、幅2mほどの土の道をゆるやかに上り下りを繰り返しながら約6.9km歩くとロストホースクリークキャンプ場に出ます。左手に川、右手に連山を望みながら砂利道に入り10km地点でエジプトレイクとの分岐、シャドウレイクへは右ヘ向かいます。
ここまではマウンテンバイクでも乗入れが可能でですが、この先からは駐輪場に停めてハイキングとなります。土、岩と木の根の山道を上り12.7kmで左手にシャドウレイクキャンプ場が、前方には緑屋根のシャドウレイクロッジが見えてきます。
ロッジからシャドウレイクの東端までは15分。湖に映しだされるマウントボールの迫力ある姿、針葉樹林との組み合わせが素晴らしい眺めを生み出すシャドウレイク、なんともカナダらしい風景です。
途中、初夏にはインディアンペイントブラシ(ゴマノハグサ科)やグレイシャーリリー(カタクリ)が可憐に花を咲かせます。秋にはラーチの黄葉が素晴らしいのだが、黄葉を楽しむには宿泊してこの先のトレイルまで足を伸ばすことをお勧めいたします。ロッジからギボンパスまで片道約3.1km、往復2時間の手軽に楽しめるハイキングコースです。
1928年オープン、ダイニングとフロントを兼ねたメインロッジと、隣にはオープン当時母屋であった建物がリビングルームとして宿泊客に開放されています。
宿泊キャビンは12あり最大32人が宿泊可能です。それぞれのキャビンには、大きなベッドが用意されており、プロパンストーブも使えます。
森の中にありながら、贅沢なロッジとなっています。
食事はホームメイドスタイルになっており、パンはいつも焼きたてを用意してくれます。昼食はいろいろな種類のパン、ハム、チーズや野菜などが用意され、自分の好きな具材をパンにはさんでサンドイッチにして持っていくというシステム。世界中のハイカーとともに約80年の歴史を刻んできたシャドウレイクでの温かなおもてなしは、今も昔も変わりません。
バンフからレッドアースクリーク登山口は約20分です。