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北極グマ(シロクマ、アイスベアとも呼ばれる)は絶滅危惧種である。特に近年地球温暖化による影響が懸念されている。極北カナダでは 10 月になるとそれまで陸上の内陸部で生活していた北極グマがハドソン湾の町チャーチルの近郊に続々と集ってくる。生物学者によるとその数 1200 頭を超えており世界でもこれほど一箇所に集中する場所はない。では、何故北極グマがこの場所に集るのだろう。北極グマの好物はアザラシで北極海周辺に生息している。カナダのハドソン湾はチャーチル周辺が一番早く結氷を始め北極海へと続く氷のルートができるのだ。その為、お腹を空かせた北極グマたちが海岸線でまだか、まだかとその結氷を待っているのである 。ところが、最近地球温暖化の影響でハドソン湾の結氷する時期に異変が起きている。例年に比べると 2 週間から 3 週間結氷が遅くなり、その氷が溶けるのも早くなっていると言われている。結果、北極グマたちは長く餌のない海岸に足止めされ、氷が溶けるのに合わせて早く北極海を去らなければならない。夏の間ほとんど食べ物を口にしないこの地域の北極グマにとって冬の間にアザラシを十分捕食できないことは死活問題である。その証拠に冬の間十分の栄養が蓄えられないため例年に比べて 15 %の出生率の低下と 15 年前に比べて 80 から 90kg の体重の減少になって現れている。地球温暖化によるハドソン湾の気温の上昇は動物界最強の北極グマも確実に追い詰めている。では、私たちにできることは何なのだろう。できることならば、北極グマの現状を現地で実際に確かめて欲しい。そして消費社会や生活習慣について考えるという小さなきっかけの火を心の中に灯して欲しい。その小さな気持ちが大きな流れになるのだから … |
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1800年頃の北米大陸では、アメリカ合衆国の西部から中部地域で、またカナダではマニトバ州周辺より西側でその生息が確認できたが、その後200年あまりの間に自然環境の変化等によりアメリカではイエローストーン国立公園でのみ、またカナダではブリティッシュ・コロンビア州、アルバータ州とユーコン準州、ノースウエスト準州、ヌナブト準州でのみと、その生息域は狭くなってきている。 |
ポンドインレット POND INLET バフィン島北部 |
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エクスペディションツアー |
ポンドインレットは北極圏を700kmも北上したバフィン島北部に位置し、人口1300人(イヌイットが95%)の町である。ポンドインレット周辺には少なくとも1000年以上前から人が住んでいたと思われる形跡があちこちで見つかっている。最低気温がマイナスになる月が1年のうち10ヶ月もあるこの土地で昔の人々はどのように暮らしていたのだろう。何とも不思議なロマンを感じずにはいられない。 最近は航空技術の発達により南の物資を北の僻地へと運ぶのが容易となった。このポンドインレットも例外ではない。極北の町には店が極端に少なく生協がスーパーマーケット的役割を果している。生協には、私たちが通常目にする食べ物や飲み物が並んでいる。もちろんこの土地では取れないものばかりだ。ただ、一つ違うのはすべてモントリオールやオタワなどからの空輸でまかなわれているため異常に高額なのである。日本の物価の2倍から3倍と考えてもらえば分かりやすい。こんな物価でイヌイットの人々がよくやっていけると誰しも疑問に思うかもしれないが、ほとんどの人々は1年分の買い物をまとめて行い、一気に輸送してもらうことで輸送コストを抑えているという。また、政府からも少なからず援助を受けている。 このエリアではもともと狩猟で自給自足の生活を営み、食事はアザラシ、カリブー、北極岩魚、イッカククジラなどを主食としていた。極北ではビタミンを取れるような野菜や果物はほとんど採れないため、それらを生で食べることによりビタミンを補給していた。その為熟年のイヌイットは極端な猫舌であることが多い。 この環境を利用した動物観察するツアーには夏、世界中からカメラマン、動物好き、自然好きの観光客が集る。その頃、ポンドインレットにある唯一の設備が整ったホテルは予約でいっぱいになる。特にフローエッジで行なわれる氷上キャンプツアーでは結氷した海の前に現れるオープンウォーター(氷がなくなり池のような状態)やリード(氷が裂け川のようになった状態)の前にテントを張り、北極グマやイッカクの出現をじっくり待つ。北極グマやイッカクが現れると間近に見られる可能性が高く非常に人気がある。チャーチルのように北極グマが集団として現れバスから観察するのもダイナミックでよいが、ポンドインレットでは動物と同じ視点で観察できる贅沢やイヌイットの歴史、暮らしを学びながら楽しんでもらいたい。 |
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